イベントレポート

医療と福祉の学習会「医療倫理」2008.6.05



 ■ はじめに


「医療と福祉の学習会」とは、学生にもっと医療や福祉分野に興味を持ってもらうことを目的として月に二回程度開催される勉強会です。(主催:新潟民医連
今回のテーマは「医療倫理」です。安楽死、人工妊娠中絶、末期医療、遺伝子技術、出産前診断等、今日では医療現場において、我々の持つ「倫理観」が試される機会が数多くあります。

(text 美南アルファ)





 

■講師の先生の紹介

本間丈成医師(1996年新潟大学医学部卒業)
下越病院で小児科医をされています。
「医療と福祉の学習会」の頼れるレギュラー講師です(笑








 

■学習会

用語解説
「生命倫理」・・・生命科学と医療技術の発達がもたらした社会的倫理問題を対象とする。
「医学倫理」・・・医師としての職業倫理。医師が守るべき規範。
「医療倫理」・・・医療全般に関わる倫理的問題を対象とする。全ての医療従事者が学習し、共有すべき考え。

医療倫理学の四原則
1.自律尊重倫理 respect for anatonomy
患者さんが自分で考えて判断する自立性の尊重。
2.無危害原理 nonmaleficence
患者さんの害になるようなことはしない。
3.恩恵原理(仁恵)beneficience
患者さんにとって有益なことはすべきである。
4.正義倫理 justice
社会的・政治的な公平性。




 





 

■グループワーク

学習会後半は参加者を数グループに分け、具体的な事例について考えてみるグループワークです。

問題
「98歳の男性患者(脳梗塞後遺症で寝たきり、高度の認知障で発語無し、殆ど意思表示無し、ベッド上で全介助)がいる。 介護は主に息子(73歳)の嫁(67歳)が担当、息子自身は介護に全く協力的でない。 生活に必要な資金は年約400万円の年金から捻出。 今回、飲み込みの具合が悪くそこから悪化した肺炎で入院、体力が落ちて口から食事をとることができなくなってしまった状態である。 この患者さんに対して、今後どのような処置をとるべきか?
1.胃ろう(胃に穴を開けてチューブを通す)手術を行う
2.経鼻胃管(チューブ)で栄養を送る
3.中心静脈栄養(点滴)で栄養を送る
4.寿命を考慮し、誤飲も含めて今まで通り口からの食事を続ける
5.何もしない
6.その他」
胃ろうは初期コスト以外かからないが患者は手術に体力がもつのか?
体内からチューブが出ている状態を見続けることは家族にも負担がかからないか?
「せめて残った時間を・・・」と口から今まで通りに食事を続けさせたとしても 万一のことが起きた場合、家族は責任を感じてしまうのではないか?

どれか一つが正解、というわけではないので各グループそれぞれの答えが出て、 答えの導き出し方がどのグループも興味深かったです。




 





 

■懇親会

学習会終了後にはLOTUS LANDにて懇親会が行われました。
今回のテーマは2時間の学習会内だけでは語りつくせない大きなもので、懇親会会場でも各自の死生観、自分の親の看取り方などについて話が盛り上がっていました。 




 




 



■ 最後に
答えが一つとは限らない問題に直面することは私たちが生活を続ける上で多々あります。
特に医療現場では患者さんの命がかかった場で判断が求められることがあるので、
生はんかな答えでは済まされません。
グループワークを通じて沢山の意見を吸収できた、貴重な経験でした。


医療と福祉の学習会 開催日:不定期(ほぼ月2回)

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